新型コロナウイルスの小売業界への影響
- 2020年3月27日
- By Manhattan Staff
新型コロナウイルスの現状が続く中、最も安全な方法は、対面式のやり取りからオンラインの代替手段への切り替えです。当社では小売業界でのそうした状況を目の当たりにしています。従来の実店舗における相当額の購入行動が一時的にオンラインに移行しているのです。
屋内退避の影響で、ホームデリバリーやカーブサイドピックアップといった、比較的新しいフルフィルメント手法への需要も高まっています。
数十万人におよぶ倉庫作業員や配送員の募集が大きく報道されていますが、この消費者主導の需要のシフトに応え、小売、卸売および製造業界が結集するのは明らかです。
最近の出来事以前から、eコマースは最も成長の著しいセグメントでした。2019年にはeコマースは米国全体の小売販売成長の56.9%を占めました。(デジタル・コマース360による。) Retail Economics社の予測によると、オンライン商取引は2028年までに英国における購入総額の53%に達する見込みです。しかしながら、新型コロナウイルスがこのシフトと、小売業者のオンライン販売の機会を最も効率的で環境に優しく、かつ費用効率も高い方法で最大化するテクノロジーへの需要をさらに加速化するでしょう。
人と技術のバランス
eコマースアクティビティは、従来オンラインでの購入に消極的であった国々においてさえ、確実に拡大しています。しかし、多くのブランドが今も、実際のオムニチャネルの商取引を成功させるために必要なテクノロジーに取り組んでいます。
eコマースの注文のフルフィルメントには10段階ものステップが必要です。顧客からの注文の受付と確認、倉庫に送るピッキングリスト、倉庫作業員による商品のピッキング、注文品の梱包および発送、最後に配送、注文品の受領、そして場合により返品もあります。これは労働集約的なプロセスであり、人と技術のバランスによって完成するものです。
そのことを念頭に置きつつも、疑問は残ります。小売業者には、オンラインおよび店舗でのフルフィルメントをシームレスかつ効果的に管理するシステムが備わっているのでしょうか?
長期的な将来像の展開
新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)が数か月に及ぶ場合には、オンラインと実店舗での販売バランスに長期的な影響が出るかも知れません。消費者がオンラインショッピングに慣れてくると、長期的に買い物の方法を一部移行するかもしれません。
ロックダウン対策が今後しばらくの間施行される状況下で、eコマースは一時的に常態化しています。それでも、小売業者はコロナウイルス後の将来を見越しておかなければなりません。消費者は夏になったら小売店に戻ってきてくれるだろうか?オンラインショッピングの傾向はさらに増え続けるのか?あるいは、外出禁止令解除後にダブルバウンス効果で買物客が大挙して街に戻ってくる可能性があるか?これらはすべて、小売業者が今後数か月間検討すべきことです。
ウイルスによってほんの数か月で加速化した消費者の行動の変化は、eコマースと店舗リソースを合わせたハイブリッド型のフルフィルメント手法の拡大に向かうビジネスケースを固定化させました。そしてこれらの手法は、状況が正常化したときに小売のピボット、スケーリング、調整および対応に役立つことでしょう。
多くの小売業者がeコマースビジネスの成長を経験してきた一方で、世界規模の出来事が小売で最も成長の早い分野を著しく、また予想外に拡大させたのです。素早い成長を遂げていたものが、今や信じられないほどの速さで発展しています。素早い変化は、今では猛烈な勢いの変動となっています。
この新たな世界で俊敏性を発揮し、変化を受け入れる企業が最も成功を収めることになるでしょう。効果的なeコマースとハイブリッド型のフルフィルメント手法は、この嵐を切り抜けるうえで重要な役割を果たし、通常のビジネスに戻ったときに小売業の牽引に役立つでしょう。